昨日から連載を始めました。今日も板橋区の教育施策にまつわる質問に答えていきます。第1回の記事「教育の板橋」の本当のところの続きです。
いま、板橋区教育委員会は何をめざしているのでしょう?
板橋区の教育目標は「学力向上」が一番です。学力と一般的に言われますが、学力の中身って非常に大事で、これをどういう風に考えるかによって、教育の仕方が全然変わってきます。ここでいう「学力」が何を指標にしているかというと結局「学力テスト」の点数、もっと言うと区や学校の平均点です。
その点数を上げるためにどういうことをするかというと、4月に全国学力テストが行われるので4月当初に学力向上週間を設けて過去問題を早くやらせ、普通の授業でも取り組ませる、教科書、指導要領の内容を無視してもそれをやらなければいけないという形になっています。昨年度はコロナ禍で学力テストはありませんでしたが、今年度は実施予定です。これから授業はどうなるのかと非常に危惧しています。
次に「学校スタンダード」の強要です。「学びのマニュアル化、画一化」が進行しています。僕はこういうやり方ではないやり方があるだろうと思っていますが、今現場では徹底してやっています。誰もが ”めあて” ”個人思考” ”ペアグループ” ”まとめ” ”理解” を1回の授業の中で全部やれと言われて、授業の最初に ”めあて” を黒板に書いて与えるというスタイルで統一されています。そうじゃなくて、この問題について考えてみたいって思って授業に入っていくということが大事だと思うし、必ずしも一番初めに "めあて" を入れなくていいんじゃないかと思います。授業はもっと多様であっていいはずですが、「スタンダード」が強調されて、この流れでやらなければいけない雰囲気があります。
2つ目は「学びのエリア」と呼ぶ板橋型小中一貫教育の推進です。もう区内のすべての中学校の学年表示は7年、8年、9年です。そして志村地域では校舎一体型の小中一貫校建設まで計画されています。
そして3つめが「GIGAスクール構想」。ICT機器を使うこと、2月から新しい機器が届いています。タブレット型のパソコンが入ってきて、どんな形になろうとしているか、少しわかってきたところです。
高野 毅 先生のプロフィール
定年退職後も引き続き非常勤講師として板橋区の小学校で教える。教師の働き方改革や教員の職場での仲間づくりもライフワークで、教職員組合運動を大切にし、そこでも活躍をしている。「志村小がなくなる?小中一貫校問題を考える会」のメンバー。
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